「金利が0.25%上がると家計はどのくらい変わるの?」「固定に変えるべき?」――そんな不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
今回のみずほ銀行の動きは、“新規”と“既存”で影響が大きく異なります。本記事ではその違いを整理し、あなたのケースでの対策を一緒に考えていきましょう。
何が起きた?
みずほ銀行は2025年10月、住宅ローンの変動金利・最優遇金利を0.25%引き上げ、0.775%にすると報道されました。ネット専用型・店頭型ともに2015年12月以来の高水準です。
変動金利は「基準金利-優遇幅」で決まります。基準金利は銀行の資金調達環境や日銀政策に応じて決まり、そのうえで個別に優遇幅(割引)が適用され、実際の金利が算出されます(みずほ銀行「住宅ローン金利一覧」参照)。
影響①:これから申し込む「新規借入」への影響
今回の引き上げは、これから借入をする方にとって月々の返済負担が増えることを意味します。
例えば、3,500万円を35年、元利均等返済、ボーナス返済なしで借りた場合を想定すると:
- 金利0.525% → 月返済:約8万7千円
- 金利0.775% → 月返済:約9万2千円
その差は毎月約5千円・総利息で200万円前後増えるイメージです。
また、審査で用いられる返済負担率(DTI)にも影響が出ます。年収が同じでも借入可能額は目減りし、希望物件価格に届かないケースも。
対策としては:
- 物件価格を少し抑える
- 頭金を増やす
- 借入期間を延ばす
といった調整が考えられます。

こちらで詳しく記事にしています。
影響②:すでに返済中の「既存借入」への影響
すでに変動金利で返済中の方は、すぐに返済額が変わるわけではありません。契約時の優遇幅は維持され、基準金利の見直し時に反映されます。
みずほ銀行では基準金利の見直しは一般的に4月と10月に行われるため、今回の改定が返済額に反映されるのは最短で来年4月以降と考えられます(みずほ銀行「お借入中のローン変動金利の基準金利見直しについて」)。
また、返済額には「5年ルール」「1.25倍ルール」があり、5年間は月返済額が変わらず、見直し時でも1.25倍までしか上がりません。ただし利息部分だけが先に増えるため、元金がなかなか減らないリスクもあります。
家計インパクトを数字で:3シナリオ簡易シミュレーション
同じ3,500万円・35年ローンで考えた場合、想定シナリオは次の通りです。
- シナリオA(0.25〜0.5%上昇):月+5千〜1万円
- シナリオB(0.75〜1.0%上昇):月+1.5〜2万円
- シナリオC(1.25%超の上昇):月+2.5万円前後
「固定費のマージン」が月1〜2万円あるかどうかで、心理的な余裕は大きく変わります。
変動→固定への乗り換えは“今”アリ?
固定へ切り替えるべきかは、次の軸で考えましょう。
- 損益分岐:金利差×期間で固定化の諸費用を回収できるか
- 家計の耐久力:教育費・車・保険などと並行して耐えられるか
- 心理的安心:金利リスクを許容できるか
選択肢は「全期間固定」「10年固定」や「ミックス型」。切替時には事務手数料・保証料の再計算も必要です。

こちらで詳しく記事にしています。
申込・借換の“やってはいけないこと”
住宅ローンの申込や借換を検討するとき、「少しでも条件を良くしたい」と思うのは自然なことです。
ですが、焦って動くと審査に不利になったり、せっかくのチャンスを逃してしまうこともあります。ここでは特に注意したい“やってはいけないこと”を整理します。
避けたい行動は次の通りです。
- 同時に複数行へ申込 → 信用情報に足跡が残る
- 書類不備(年収証明・課税証明など)
- 新たな借金やリボ払い増加
- 団信の健康告知に空欄
直近の金利環境の読み方
背景には、日銀の利上げ観測があります。ロイターは2025年9月の報道で、年内や10月の利上げ可能性を伝えています。ただし銀行の金利は即座に動かず、見直し月に反映されるのが一般的です。
金利予測はぶれるもの。だからこそ家計側は「ストレステスト(もし+1%になったら?)」を持っておくことが重要です。
今すぐできる3アクション
- 家計のマージンを点検しよう
- 通信費の格安プラン化
- 保険の重複見直し
- サブスクの解約
- 返済額の増加テストをしよう
- 月+5,000円/+10,000円を半年間続けられるか
- 金利タイプの比較表を作ろう
- 変動・10年固定・全期間固定で「金利・月返済・総利息・安心感」を4列で書き出すだけで整理が進みます。
もし「具体的な数字を出すのが大変」と感じたら、前述の モゲチェック無料比較 や 借換えシミュレーション をあわせて活用すると、自分の返済計画を数字で確認しやすくなります。
FAQ
Q:今回の0.25%引き上げは既存の私にも即反映されますか?
A:いいえ。見直し時期(4月・10月)に反映されます。
Q:変動で借りていても途中から固定にできますか?費用は?
A:可能です。事務手数料や保証料の再計算が必要です。
Q:返済額の上限(5年/1.25倍ルール)は本当に守られますか?
A:はい。ルールで保護されますが利息増加には注意です。
Q:借換の審査は厳しくなりますか?
A:金利上昇で返済負担率が上がり、厳しくなる可能性はあります。
Q:ボーナス返済をやめる/減らすのはアリ?
A:アリです。返済計画の柔軟性を高められます。
まとめ
今回の0.25%引き上げは、新規借入には直撃し、既存借入は数か月遅れて影響します。数字でシナリオを把握し、家計の余力と安心感を基準に「変動で進むか・固定へシフトするか」を考えることが大切です。
特にこれから借入を検討している方や、借換を考えている方は モゲチェック無料比較 や 借換えシミュレーション を活用して、自分の状況を数字で見える化してみてください。
出典(正式名称)
- みずほ銀行「住宅ローン金利一覧」
- みずほ銀行「お借入中のローン変動金利の基準金利見直しについて」
- 静岡新聞SBS「みずほ住宅ローン引き上げ 0・25%、10月変動型」(2025年9月28日)
- ロイター「日銀利上げ観測に関する報道」(2025年9月)
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