なぜプロパンガスは都市ガスより高いの?―仕組みからわかる本当の理由


「プロパンは高い」とよく聞きますよね。引越し先がプロパンだと知って、不安に感じた経験がある方も多いと思います。
でも、なぜプロパンは都市ガスより高いのでしょうか? 単なるイメージではなく、料金の決まり方や供給の仕組みに理由があります。

この記事では、プロパンが都市ガスより割高に見える背景を整理して、納得感を持って比較できるように解説します。


目次

料金体系の違い

都市ガスは、かつて規制料金だった名残もあり、現在でも多くの事業者が公表メニューに基づいて料金を設定しています。利用者からすると「誰でも同じ条件で、仕組みが見えやすい」のが特徴です。

一方、プロパンは完全な自由料金制です。販売店ごとに基本料金や従量単価を独自に設定できるため、地域や物件によって金額に大きな差が生まれます。透明性が低い分、価格が高止まりしやすいのです。


供給方式の違い

都市ガスは、道路の下に埋設された配管を通じて大量に供給されます。エリア全体にまとめて届けるため、規模の経済が働き、単価を抑えやすくなります。

対してプロパンは、ボンベをトラックで各家庭やアパートまで運んで設置しなければなりません。配送の人件費や燃料費、容器の管理費などが利用者の料金に直結します。
特に戸数が少ない物件や山間部などでは、このコストの影響が大きく、単価が高くなりがちです。


設備費・点検費の扱い

プロパンガス事業者は、給湯器や配管を「無償貸与」として設置することがあります。表面上はお得に見えますが、実際にはその費用が従量単価に上乗せされ、長期的に利用者が負担する形になります。

また、法律で義務づけられている保安点検(4年に1度など)の費用も、プロパンでは基本料金や従量料金に含めて回収するのが一般的です。
都市ガスではこうしたコストは事業者負担が中心で、利用者が直接負担する感覚は少ないのが違いです。


熱量の違いと“見え方”

ここで注意したいのは、プロパンの熱量は都市ガスの約2倍あるということです。
つまり、同じお湯を沸かすのに必要なガスの量は、都市ガスの半分で済みます。

このため、本来なら㎥単価が都市ガスの約2倍でも使う㎥が半分で済むなら「同等のエネルギーコスト」といえます。
また目安としてのプロパンガスの料金は、都市ガス単価の1.2〜1.5倍程度が適正ゾーンです。

しかし実際のプロパン料金は、配送や設備費の上乗せ、ひどい場合には様々な設備をガス料金に上乗せして、2〜3倍以上の料金設定にされているケースも少なくありません。ここで多くの人が「プロパンガスは高い」、「プロパンガスは高すぎるのでは?」と感じるわけです。


実際の価格レンジ

参考までに、2024年時点の平均的な料金水準(出典:資源エネルギー庁、都市ガス各社料金表)は次の通りです。

  • 都市ガス
    • 基本料金:700〜1,200円
    • 従量単価:120〜180円/㎥
  • プロパンガス(LPガス)
    • 基本料金:1,500〜2,500円
    • 従量単価:350〜600円/㎥

この差を月の使用量に当てはめると、単身世帯でも月3,000円前後、ファミリー世帯なら冬場で1万円近い差になることも珍しくありません。


まとめ

プロパンガスが都市ガスに比べて高くなるのは、以下の理由が重なっているからです。

  • 自由料金制で、販売店ごとに単価を決められる
  • 配送コストや保安点検費、設備費が利用者料金に上乗せされやすい
  • 熱量換算では1.2〜1.5倍が妥当だが、実際は2〜3倍に膨らみやすい

つまり「高い=不当」とは言えませんが、平均を大きく超える水準で請求されているなら交渉や見直しの余地があると考えるのが合理的です。ただ賃貸の場合は交渉が難しいので、「都市ガスを選ぶのが無難」となるわけですね。

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