ペアローンの「連生団信」とは?—夫婦で備える保障の仕組み・メリット/デメリットを徹底解説

「どちらかに万一があったら、もう片方だけで返していけるのかな…」
「団信の保険料が上がると家計が厳しくなりそう…」

そんな不安を抱くご夫婦は多いです。
この記事では、連生団信の“仕組み・費用・向き不向き”を整理して、あなたの世帯に最適な備え方を一緒に考えましょう。


目次

まず整理:ペアローン×連生団信の全体像

ペアローンとは、夫婦それぞれが独立して住宅ローンを組み、双方が主債務者となる形。
一方、連生団信(夫婦連生団信)は、どちらかが死亡や高度障害など所定の事由に該当すると、双方のローン残高(または設定割合)を保険で弁済できる仕組みです。

似た言葉に「連帯債務」「連帯保証」「単独+配偶者保証」がありますが、仕組みは異なります。

  • 連帯債務:1本のローンを共有し、双方が全額の返済義務を負う
  • 連帯保証:主債務者が返済不能になった場合に、保証人が代わりに返す義務
  • 単独+配偶者保証:主債務者の返済に責任を持つのは1人だけ

つまり連生団信は、ペアローンを「保険の力」でひとつに結ぶ安心装置なのです。


どこまで守られる?—ペアローンの連生団信での保障範囲

ペアローンの連生団信(夫婦連生団体信用生命保険)は、
どちらか一方が死亡または高度障害など、所定の状態になった時点で、
夫婦双方の住宅ローン残高がすべて弁済(完済)される仕組みです。

通常の団信では、加入者本人のローンだけが対象ですが、
連生団信は夫婦2人を1つの契約単位として保険を組むため、
どちらかに万一があっても、残された家族が住宅ローンを背負わずに済むのが特徴です。

保障対象となるのは主に

  • 死亡・高度障害
    で、商品によっては以下のような特約も付けられます。
  • 3大疾病(がん・心疾患・脳卒中)
  • 8大疾病/就業不能特約/介護保障付き

この仕組みは、単なるローン付帯保険ではなく、
「家族の生活基盤=住まい」を2人で支え合うための“共同保障”と考えるのが近いです。
安心を“個人”ではなく“世帯全体”で備える――それが連生団信の本質です。


費用の目安:いくら上乗せになる?

費用形態は次の2タイプ。

  • 金利上乗せ型:通常金利+0.1〜0.3%程度
  • 保険料別払い型:月払い/年払い(数千円〜万円台)

一般的に、夫婦連生団信は単独団信よりコスト高めです。
たとえば3,500万円ずつ×2本で上乗せ0.2%なら、
月額負担は約5,000〜7,000円増、総支払差は200〜300万円前後に。

ただしこれは目安で、金利・保険料は各金融機関の最新約款を確認してください。


ペアローンの大きな魅力:住宅ローン控除が夫婦それぞれに使える

ペアローンの大きな利点のひとつが、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を夫婦それぞれが受けられることです。
これは、連帯債務や単独借入よりも節税効果が高い大きなポイントです。

それぞれが主債務者だから、控除も「それぞれ」

ペアローンでは夫婦それぞれが独立したローン契約を結びます。
そのため、双方が主債務者として住宅ローン控除の対象になります。

例えば夫3,500万円・妻3,500万円を借りた場合、
控除上限は各2,000万円×0.7%=年14万円、合計28万円/年の控除が可能です。
13年間続く制度なら、合計約364万円相当の減税効果になることもあります(制度時期による)。

条件を満たすための注意点

  • それぞれが主債務者であること(ペアローンならOK)
  • それぞれに登記持分があること
  • 入居・居住要件を満たすこと
  • 借入期間10年以上であること

連帯債務型でも「債務割合」を設定すれば控除を分けられますが、構造的にはペアローンのほうがシンプルで確実です。

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ケースで理解:3世帯の連生団信シミュレーション

Case1 共働き高収入(持分50:50)

  • どちらに万一があっても全額弁済で家計安定
  • 控除も2人でフル活用
    判断軸
  • ◎:節税+安心
  • △:コスト増
  • ◎:心理的余裕

Case2 片方が育休予定

  • 主債務者に厚めの特約で補う方法も
  • 控除は少ない方にもメリットあり
    判断軸
  • ◎:費用抑制
  • △:片方保障不足
  • 〇:柔軟性

Case3 自営業+会社員

  • 就業不能特約の有無で安心度が変化
  • 控除が双方に適用されるため、課税負担軽減にも寄与
    判断軸
  • 〇:安定性
  • △:告知要確認
  • 〇:節税効果

(筆者の顧客では、自営業側に所得変動があっても控除の恩恵で実質返済負担を軽くできた例がありました。)


メリットとデメリット

メリット

  • どちらかの万一で住宅を守りやすい
  • 夫婦それぞれに住宅ローン控除が使える
  • 精神的な安心感・公平感

デメリット

  • 費用増(上乗せ金利・保険料)
  • 商品が限られる
  • 離婚・持分変更時に再契約が必要な場合あり

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よくある誤解と落とし穴

  • 「連帯保証があれば家は守られる」→保証は返済義務の肩代わりであり、残債が消えるわけではありません。
  • 「死亡で全額ゼロ」→商品と割合設定によります。必ず約款の支払事由を確認。
  • 就業不能特約は自営だと適用範囲が異なることも。
  • 告知義務違反(既往歴や投薬)は不担保・解除のリスク。

まとめ

今すぐできる3つのこと

  • 連生団信の支払事由・割合・費用を1枚に整理
  • 住宅ローン控除の適用可否を金融機関に確認
  • 借り換えや銀行比較も視野に入れて最適化

守りたい相手と家に合わせて、保険とローンを設計しましょう。
数字で整理すれば、不安は安心に変わります。

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