住宅ローン借り換えのデメリットを事例で検証!失敗しないための対策集

「借り換えって本当にお得なの? デメリットはないの?」。そんな疑問でブレーキを踏んでいませんか?
本記事では、実際に起きたデメリット事例と対策をわかりやすく解説し、“失敗しない借り換え”への道筋を一緒に確認していきましょう。

目次

借り換えで起こりがちなデメリット一覧

住宅ローンの借り換えというと、「金利が下がってお得!」というイメージがあります。
ですが、見落とされがちなデメリットもいくつか存在します。

借り換え前に、次の点をチェックしておきましょう。


  • 諸費用の負担増
    保証料や事務手数料、登記費用、司法書士報酬など、借り換え時にも初期費用が発生します。
    金利差で得られるメリットより、これらの費用が上回ると「かえって損」になることもあります。
  • 残期間が短すぎると効果が薄い
    返済期間が10年以下になると、金利が下がっても利息額そのものが小さいため、借り換えの効果は限定的です。
    数十万円の費用をかけて数万円の利息削減しかできない、というケースもあります。
  • 審査に通らないリスク
    借り換えには新たなローン契約が必要であり、改めて金融機関の審査があります。
    自営業・転職直後・収入が減っているなどの場合、思わぬ審査落ちのリスクがあります。
  • 団体信用生命保険(団信)の内容変更
    借り換え先の金融機関によっては、これまで加入していた三大疾病やがん特約が引き継げないことも。
    団信が一般保障のみになると、保障の手厚さがダウンする可能性があります。
  • 繰上げ返済の制限や違約金の発生
    固定金利型のローンでは、契約期間中に全額返済する場合「違約金」や「繰上げ返済手数料」が発生することがあります。
    借り換え後の柔軟性に制限がかかるのは意外と盲点です。

これらは、文字が小さく細かく書かれていることが多く、分かりにくい部分かもしれませんが、後から「こんなはずじゃなかった」とならないための大切な情報です。

住宅ローンは何千万円という契約ですから、「ちょっとした見落とし」が大きな損失につながることもあるのです。そのため、これらのリスクは“制度上の注意点”として明記されています。

これらのリスクは、決して珍しいトラブルではありません。
実際、国の制度や契約の中でも「重要な確認ポイント」とされています。
どのような制度なのか順番に確認していきましょう。

「金融商品販売法第3条」とは?

この法律では、銀行などの金融機関に対し、お客さまに重要事項を事前にわかりやすく説明しなければならない」という義務が課されています。

つまり、費用・リスク・条件変更の可能性など、大切なポイントは“聞かれなくても説明しなさい”というルールです。


借り換えも“新規契約”だから注意が必要

住宅ローンの借り換えは、単なる手続き変更ではなく、まったく新しいローン契約です。

そのため、

  • 初回契約と同じく重要事項の説明義務がある
  • 契約書の中にある「特約条項」(小さい文字で書かれがちな部分)にも、
     以下のような内容が含まれていることが多いです:

 - 繰上げ返済手数料の有無と金額
 - 金利が変わる条件(固定→変動の移行時など)
 - 団信の引受範囲や保障内容の制限


なぜ「特約条項」が重要なのか?

この部分を読み飛ばすと、後からこうなります。

「固定金利のつもりだったのに、10年後に変動に変わるって書いてあった…」
「団信のがん保障がついてなかったなんて知らなかった…」

借り換えで「思わぬ出費やリスク」を避けるためには、“書面の細かい文字”も確認すべき重要事項なのです。

借り換えは「ローンの引っ越し」。新しい契約には、新しいルールがあるという意識を持ちましょう。最初に借りたときと同じくらい、丁寧に内容を確認することが、“損しない借り換え”の第一歩です。

デメリットが顕在化した実例 3 ケース

Case①:手数料がかさみ、想定外の出費に

40代会社員のAさんは、金利差に惹かれて借り換えを実行。
しかし、新たな金融機関での保証料・登記費用・司法書士報酬などで、総額80万円近い初期費用が発生しました。
トータルで見れば利息は減りましたが、「思ったほどお得じゃない」と感じたそうです。

「まさか初期費用でボーナスが吹き飛ぶとは…」(Aさん)

Case②:審査落ちで時間と信用を消耗

自営業のBさんは、変動金利の上昇に備え、固定型に借り換え申請。
しかし、収入が不安定という理由で審査に通らず、書類提出や面談に費やした労力だけが残りました。
複数の金融機関に申し込んだことで、信用情報にも影響が出た可能性があり、本人も「精神的にきつかった」と振り返ります。

「通る前提で動いてたので、正直ショックでした」(Bさん)

Case③:団信の保障内容がダウン

50代のCさんは、金利の安さを重視しネット銀行に借り換え。
ところが、以前加入していた三大疾病付き団信が、借り換え先では対象外。
結果的に、保障内容がダウンしてしまい、保険の掛け捨てで補う羽目になりました。

「金利だけじゃなく、保障もちゃんと見ればよかった…」(Cさん)

失敗しないための対策集(5つ)

対策①:諸費用を総額で見積もる

金利差だけで判断すると、かえって損をすることもあります。
借り換えには数十万円単位の諸費用がかかるため、総額で比較することが重要です。

  • 借り換えシミュレーションで総費用を把握
  • 登記・保証料・事務手数料・印紙代などをリストアップ
  • 金利差による利息軽減額と諸費用を差し引き比較

「比較したら、意外と今のままの方が安かったです」

対策②:残りの返済期間を確認する

残期間が短いと、借り換えによる利息軽減効果は小さくなります。
特に10年未満の場合は、再計算が必要です。

  • 返済予定表で残高と期間をチェック
  • 金利差と借り換え費用の回収年数を試算
  • 費用回収に5年以上かかる場合は慎重に検討

「あと8年のローンでは、思ったほど得にならず断念しました」

対策③:事前審査を複数に絞って行う

審査落ちのストレスや信用情報への影響を防ぐためには、安易な多重申し込みは避けるべきです。

  • 実績ある金融機関を2〜3社までに絞る
  • 提出書類(収入証明・課税証明など)を事前に整える
  • 金融機関の相談窓口や無料FP相談を活用

「最初から絞って申請したら、スムーズに通りました」

対策④:団信の保障内容を比較する

金利の低さに目を奪われがちですが、保障が弱くなると万一の備えに差が出ます

  • 現在の団信内容を確認(三大疾病・がん特約など)
  • 借り換え先の団信の保障条件と保険料を比較
  • 必要に応じて、民間保険とのバランスを調整

「新しい団信に特約を追加して、安心できました」

対策⑤:契約条項を細かく読む

「繰上げ返済手数料」や「固定期間中の条件」など、小さな文字にも重要情報が含まれます

  • 「住宅ローン契約特約条項」の全文を確認
  • 特に「全額繰上げ返済の違約金」や「金利変更条項」をチェック
  • 不明点は、銀行または弁護士に確認する勇気を

「難しい言葉は、金融機関でかみ砕いて説明してもらいました」

ファイナンシャルプランナーからのひとこと

住宅ローンの借り換えは、「金利が下がって返済が楽になる」という面ばかりが注目されがちです。
でも実際には、契約内容の変化、保障の見直し、諸費用の再発生など、生活設計全体に影響を及ぼす選択でもあります。

ファイナンシャルプランナーとして多くのご相談を受けてきた中で、私がいつもお伝えしているのはこの一言です。

「“得か損か”だけでなく“納得できるか”も含めて判断してください」

金利の差額や返済額ももちろん大切ですが、

  • 家計の中で無理なく続けられること
  • 家族にとっての安心感があること
  • 団信や保障も含めた“もしもの備え”があること

――これらをふまえて、長い目で判断することが本当の意味での「正解」につながります。

借り換えは、一度決めると簡単には戻せません。
だからこそ、数字だけでなく、“暮らしのリアル”に目を向けて、安心と納得を優先する判断をしていただけたらと思います。

まとめ

今すぐできることは、以下の3つです。

  • 借り換えにかかる諸費用を総額で試算する
  • 残りの返済年数と金利差によるメリットを比較する
  • 団信や契約条件などの見落としがちな点を確認する

数字とリスクを見極めれば、安心して次の一歩が踏み出せます。

まずは、【2025年最新】住宅ローン借り換えで損してない?比較が面倒な人こそ使うべき無料シミュレーションで全体感をつかみましょう。

FAQ(よくある質問)

Q: 借り換えの審査に落ちることってあるのでしょうか?
A: 大丈夫です。収入や信用情報が大きく変わっていなければ、落ちる可能性は低いです。

Q: 団信が変更になると、保障が減ってしまうのでしょうか?
A: 可能性はありますが、条件を確認すれば代替保障を用意することも可能です。

Q: 変動から固定に切り替えるだけでも、借り換えする意味はあるのでしょうか?
A: あります。金利上昇が不安な方にとっては、精神的な安心感が大きなメリットです。

Q: 諸費用は分割で払えますか?
A: 金融機関によっては諸費用もローンに組み込める場合がありますので、確認してみてください。

Q: 借り換えしたら、すぐにまた他行に乗り換えられますか?
A: 原則可能ですが、短期間での再借り換えはコストがかさむため慎重に検討を。


以上が、住宅ローン借り換えにおける“落とし穴”とその対策です。安心・納得の選択のために、ぜひ一歩ずつ情報を整理していきましょう。

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