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妊娠・出産等による職場での不利益取扱いは認められません。
妊娠・出産を理由に不利益を受けていませんか?
妊娠や出産を理由に職場で不利益な扱いを受けることは、法律で禁止されています。しかし、現実には解雇や降格、契約更新の拒否、給与の減額などの問題が依然として発生しています。この記事では、妊娠・出産に関する労働者の権利を守るための法律や具体的な禁止事項について詳しく解説します。
男女雇用機会均等法による保護
男女雇用機会均等法第9条では、以下のように明記されています。
- 事業主は、女性労働者が結婚、妊娠、出産したことを理由に退職を強要してはならない。
- 妊娠・出産を理由とする解雇は原則として無効。
- 妊娠中および出産後1年以内の女性労働者に対する解雇は、事業主が妊娠・出産を理由としないことを証明しない限り無効。
解雇や退職の強要だけが該当するわけでなく、不利益な取り扱いも認められていません。
次の項目から具体的な例を確認していきましょう。
妊娠・出産を理由とする不利益取扱いの具体例
法律では、以下のような不利益取扱いが禁止されています。
1. 解雇や契約の打ち切り
- 妊娠・出産を理由とした解雇
- 契約社員・派遣社員の契約更新の拒否
- 契約更新の回数を減らすこと
2. 雇用形態の変更を強要
- 正社員からパートタイム勤務などへの強制的な変更
- 一方的な労働条件の不利益な変更
3. 降格・減給・昇進差別
- 妊娠を理由とした降格
- 産休・育休後の給与の減額
- 昇進・昇格の際の不利益な評価
4. 不利益な自宅待機命令や環境の悪化
- 会社側が一方的に自宅待機を命じる
- 妊娠を理由に職場での業務負担を増やす
- 不当な労働時間の変更
5. 不当な配置転換
- 賃金が下がる部署への異動
- 適切な配慮がないままの転勤命令
6. 賃金・賞与・退職金の減額
- 妊娠・出産に伴う休業期間を理由に、給与や賞与を削減
- 退職金の減額
7. 妊娠中の健康管理措置を受けることによる不利益
- 軽作業への変更を求めたことによる降格
- 妊娠中の深夜業や時間外労働の回避を申し出たことによる不利益な扱い
妊婦であることを配慮して業務を軽減したり、他の軽減できるような業務に配置転換することは可能です。この法律の趣旨は不利益な取り扱いかどうかというところです。

妊娠・出産を理由に不利益を受けた場合の対処法
1. 記録を残す 職場でのハラスメントや不当な扱いがあった場合、メールやメモを残して証拠を確保しましょう。
2. 上司や人事部に相談 問題を報告し、適切な対応を求めます。会社内の相談窓口があれば活用しましょう。
3. 労働基準監督署や相談機関に相談 労働基準監督署や「総合労働相談コーナー」などに相談することで、法的に適切なアドバイスを受けられます。
4. 弁護士に相談 解雇や不当な扱いが続く場合、弁護士に相談し、適切な対応を検討しましょう。
厚生労働省の「総合労働相談コーナ」はこちらです。ご自身のお住いの近くの相談コーナーに相談しましょう。
妊娠・出産を理由とする不利益取扱いの実例と裁判例
妊娠・出産を理由とする不利益な扱い(マタニティハラスメント、通称マタハラ)は、労働基準法や男女雇用機会均等法によって禁止されています。しかし、実際には未だにマタハラが問題となるケースは少なくありません。ここでは、過去に起こった実際の裁判例を紹介し、企業の違反行為に対する法的判断や、もし被害に遭った場合の対処法を解説します。
マタハラ最高裁判決(2014年)
2014年、日本の最高裁で初めてマタハラに関する判決が下されました。この事件は、広島市で理学療法士としてで働く女性が妊娠したことを理由に、業務の軽い部署に異動を申し出ました。異動後、それまでの管理職ポジションを外され、復職後も外れたままでした。
これに対し、女性は不当な降格を理由に提訴。裁判の結果、最高裁は「妊娠・出産を理由とした降格は違法である」と判断し、女性の訴えを認めました。この判決はマタハラに関する初の最高裁判断となり、その後の法整備にも大きな影響を与えました。
出展 裁判所
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=84577
大手企業でのマタハラ報道と社会の反応
近年では、大手企業において「妊娠したら契約更新なし」と通告されるなどのマタハラ事例が報道されることもあります。ある企業では、派遣社員の女性が妊娠を休職しました。休職後、契約の更新の希望を会社に伝えると「次回の契約更新は認められない」と告げられ、実質的な解雇を言い渡されました。
出展 企業法務ナビ マタハラ提訴 伊アリタリア航空客室乗務員
まとめ
妊娠や出産を理由とする不利益な扱いは違法です。法律では女性労働者の権利を守るための明確な規定が設けられています。もし職場で不当な扱いを受けた場合は、証拠を残し、適切な相談機関や専門家の力を借りて対応することが重要です。
妊娠・出産を経ても安心して働ける環境を守るため、知識を身につけ、しっかりと権利を主張していきましょう!
- 妊娠や出産を理由に職場で不利益な扱いを受けることは、法律で禁止されています。
- 単に軽量な業務に変えるのではなく、本質は不利益な取り扱いかどうか。
- 最高裁でも認められており、正しい知識をつけることが企業も労働者も大事
出展 厚生労働省 婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等(第9条)
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000141973.pdf
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