失業中に病気やケガで働けなくなった場合、「雇用保険の傷病手当」を利用すれば、一定の条件を満たすことで手当を受け取ることができます。この制度はあまり知られていませんが、適切に申請すれば経済的なサポートになります。
この記事では、雇用保険の傷病手当の仕組みや支給条件、申請方法、他制度との違いなどを、わかりやすく解説します。パートや派遣など非正規雇用の方でも対象になる可能性があるため、該当する方はぜひチェックしてみてください。
併せて読みたい！関連記事！👇
【初心者OK】保険選びに迷ったら｜無料でFPに相談できるサービスとメリットを解説
【2025年最新】副業の確定申告におすすめのクラウド会計ソフト3選を徹底比較！
【2025年版】電気代を安くする方法！電力会社の比較と切り替えで年間14,400円節約
1. 雇用保険の傷病手当とは？
雇用保険の「傷病手当」は、離職後に求職活動中の人が、病気やケガで働けない場合に支給される手当です。
基本的には「就職する意志と能力があるけれど、病気などで働けない」という状態が前提になります。
2. 支給を受けるための条件
傷病手当が支給されるには、以下すべての条件を満たす必要があります：
- 離職後にハローワークで求職申込をしている
- その後に病気・ケガにより働けなくなった
- 求職申込から15日以上経過し、就職できない状態が続いている
- 失業保険（基本手当）の受給資格がある
※離職時点ですでに働けない場合は対象外です。
3. 失業保険との関係
雇用保険の傷病手当を受けるには、失業保険（基本手当）の受給資格が必要です。
【失業保険の主な受給条件】
- ハローワークで求職申し込み済み
- 就職の意思と能力があるが、就職できていない
- 離職前2年間に通算12か月以上の被保険者期間（特定理由離職者は6か月以上）
【受給できないケース例】
- 妊娠・出産・育児で働けない
- 自主的に休養を取っている
- 結婚や家庭の事情で働かない選択をしている
4. 健康保険・労災保険との違い
| 種類 | 対象者 | 支給理由 |
|---|---|---|
| 雇用保険の傷病手当 | 求職者 | 就職活動中の病気やケガ |
| 健康保険の傷病手当金 | 被雇用者 | 業務外の病気・ケガで働けない |
| 労災保険 | 被雇用者 | 業務・通勤による病気・ケガ |
それぞれの制度は対象や用途が異なるので、状況に応じてどの制度が使えるか確認しましょう。
5. 対象となる病気・ケガの例
支給対象になるのは、「全治2週間以上」の病気やケガです。
例：
- 新型コロナウイルスでの長期療養
- 骨折や事故などによる入院
- 精神的な病気（うつなど）で就労困難な場合
6. 支給される金額の目安
傷病手当の金額は、失業保険（基本手当）と同じ金額が支給されます。
【基本手当日額の上限（2024年時点）】
- 29歳以下：6,760円
- 30～44歳：7,510円
- 45～59歳：8,265円
- 60歳以上：7,096円
日額は、離職前6か月の賃金総額 ÷ 180日 × 給付率（50～80％）で算出されます。
7. 申請方法と必要書類
【申請の流れ】
- ハローワークで申請書を入手
- 病院で医師に「傷病手当支給申請書」の医師記入欄を記載してもらう
- 「雇用保険受給資格者証」と一緒に提出
※医師の診断書では代用不可。必ず指定の申請書に記入が必要です。
8. よくある質問（FAQ）
Q. パート・アルバイトでも傷病手当はもらえる？
A. 雇用保険に加入していれば対象になります（雇用期間31日以上、週20時間以上の労働）。
Q. 派遣社員でも申請できる？
A. 派遣社員も、雇用保険に加入していれば申請可能です。
Q. 診断書は必要？
A. 診断書は不要です。ただし、医師の記入がされた「傷病手当支給申請書」は必須です。
9. まとめ
雇用保険の傷病手当は、失業中に病気やケガで就職活動ができない方を支援する制度です。パート・派遣など雇用形態に関係なく、雇用保険の加入歴と失業保険の受給資格があれば申請可能です。
体調不良で再就職が難しいと感じたときは、まずはハローワークに相談し、制度をしっかり活用しましょう。
出展 ハローワークインターネットサービス
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_basicbenefit.html
コメント