併せて読みたい!NISAについてはこちら!

併せて読みたい!インデックス投資ってなに?

併せて読みたい!S&P500についてはこちら!

複利とは?その基本概念を理解しよう
資産運用の世界で「複利」は、利益をさらに利益へと変える魔法のような仕組みです。長期投資を考える際、インデックス投資、特にS&P500やオールカントリーは、この複利効果を存分に活かす絶好の手段となります。この記事では、複利とは何か、インデックス投資で実際にどの程度の複利効果が期待できるのか、そして複利効果が得られなかった場合との違いを詳しく解説します。
複利の定義
複利とは、運用で得た利益を元本に加えて再投資し、それを繰り返し利益を得る仕組みです。つまり、「利益が利益を生む」という性質により、運用期間が長ければ長いほど資産は指数関数的に増加します。
単利との違い
一方で、単利は元本に対してのみ毎年一定の利率で利益が発生するため、運用効果は直線的に増加します。たとえば、元本100万円を年利5%で運用する場合
元本100万円を年利5%で運用した場合の、単利と複利の5年間における累計利益を比較した表です。
年 | 単利累計利益 (万円) | 複利累計利益 (万円) |
---|---|---|
1年目 | 5.0 | 5.0 |
2年目 | 10.0 | 10.3 |
3年目 | 15.0 | 15.8 |
4年目 | 20.0 | 21.6 |
5年目 | 25.0 | 27.6 |
- 単利の場合:毎年元本100万円に対して5%(5万円)の利益が加算され、5年間で合計25万円の利益となります。
- 複利の場合:運用で得た利益を再投資するため、1年目は5万円、2年目は105万円に対して計算され、5年間で約27.6万円の利益が得られます。
この表から、5年間では複利運用により約2.6万円の差が生じることがわかります。長期運用では、この差がさらに大きくなり、複利の効果がより顕著に現れます。
インデックス投資と複利効果
インデックス投資の魅力
インデックス投資は、株式市場全体の動向に連動するため、長期的な資産形成に適しています。特にS&P500やオールカントリーのインデックスファンドは、分散投資が実現され、安定したリターンが期待できる点で人気です。
複利効果の実例:S&P500の場合を具体的な例を見てみましょう。
S&P500は、過去数十年にわたって平均年利約8~10%のリターンを記録しています。ここでは仮に年利8%とし、元本100万円を30年間複利運用した場合を示します。
複利運用の場合
毎年元本100万円に対して8%の利益が加算され、30年間で合計約1000万円の資産となります。
年数 | 資産額 (万円) |
---|---|
1年目 | 108.0 |
2年目 | 116.6 |
3年目 | 126.0 |
4年目 | 136.0 |
5年目 | 146.9 |
6年目 | 158.7 |
7年目 | 171.4 |
8年目 | 185.1 |
9年目 | 199.9 |
30年後 | 1,006.3 |
単利(再投資しない場合)
毎年元本100万円に対して8%の利益が発生して、30年間で合計約340万円の資産となります。
年数 | 資産額 (万円) |
---|---|
1年目 | 108 (100 + 8×1) |
2年目 | 116 (100 + 8×2) |
3年目 | 124 (100 + 8×3) |
4年目 | 132 (100 + 8×4) |
5年目 | 140 (100 + 8×5) |
6年目 | 148 (100 + 8×6) |
7年目 | 156 (100 + 8×7) |
8年目 | 164 (100 + 8×8) |
9年目 | 172 (100 + 8×9) |
30年後 | 340(100 + 8×30) |
この表から、複利の場合と単利の場合をそれぞれ30年間、資産運用した場合、約660万円の差があることがわかります。
なぜ複利効果が重要なのか?
再投資しない場合のデメリット
複利効果を最大限に活かすためには、運用で得た配当金や分配金を再投資することが不可欠です。もしこれらの利益を消費してしまうと、資産の成長スピードは大幅に低下します。上記の例では、S&P500の投資において、再投資を行った場合は30年で元本が約10倍に対し、再投資をしなかった場合は約3.4倍にとどまります。
複利効果のメリット
- 長期的な資産形成:複利効果は、時間が経過するほど効果が倍増し、老後の資産形成や将来の大きな資金需要に応える力となります。
- 再投資の力:得られた利益をすぐに使わず、さらに再投資することで、毎年の利益が増え続け、結果として大きな資産成長を実現します。
- リスク分散:インデックス投資は市場全体に投資するため、個別株のリスクを分散でき、長期的には安定した複利効果が期待できます。
複利の効果だけでも時間をかければ大きな資産になる
先ほどの具体例のようにS&P500を例にとってみましょう。元本300万円に対して8%のリターンが見込め、かつ追加で一切投資しなかった場合、30年間で合計約3018万円の資産となります。
年数 | 資産額 (万円) |
---|---|
1年目 | 324.0 |
2年目 | 349.9 |
3年目 | 377.9 |
4年目 | 408.1 |
5年目 | 440.8 |
6年目 | 476.1 |
7年目 | 514.1 |
8年目 | 555.3 |
9年目 | 599.7 |
30年後 | 3018.8 |
300万円を年利8%で運用すると、10年後には約650万円、30年後には約3000万円に成長します。元本を追加しなくても、時間をかけるだけでこれほどの違いが生まれるのです。
「お金に働いてもらう」という考え方を持ち、長期目線で資産運用をすることが、豊かな未来への第一歩となります。時間を味方につけ、複利の力を最大限に活かしましょう!
複利を最大限に活かすためのポイント
再投資の徹底
配当金や分配金は、必ず再投資に回すことを習慣化しましょう。これにより、複利効果が存分に発揮され、長期的な資産形成がスムーズになります。
長期投資の視点
複利効果は「時間」が味方です。市場の短期的な変動に左右されず、10年、20年という長期の視点で資産運用を行うことが大切です。
インデックス投資の活用
S&P500やオールカントリーなどのインデックスファンドは、低コストで広範な分散投資が可能なため、複利効果を効率的に享受できます。定期的な積立投資でリスクを分散しながら運用するのがおすすめです。
まとめ
複利は資産運用の根幹を成す強力な仕組みです。インデックス投資、特にS&P500やオールカントリーにおける複利効果は、再投資を徹底することで何十年後には元本が2倍、3倍以上に増える可能性を秘めています。一方、再投資を行わなければ単利運用となり、成長スピードは大幅に低下します。長期投資と再投資の力を活用し、複利効果を最大限に引き出すことで、将来の資産形成に大きな差が生まれます。
- 複利効果は利益が利益を生む効果
- 長期運用で効果が増大
- 経済的自立や老後資金形成に有効
- 特にインデックス投資と相性抜群
出展 金融庁 応用編 「貯める・増やす」~資産形成
https://www.fsa.go.jp/news/r3/sonota/20220317/04-2.pdf
コメント