「退職代行を使えば、もう悩まなくていい」――そう思っていたのに、
あとからトラブルが降りかかってきた。
そんな声が後を絶ちません。
実は、退職代行サービスには思わぬ落とし穴が潜んでいることもあります。
この記事では、トラブルが起こりやすい3つのケースと、具体的な回避策を専門家の視点で解説します。
トラブルシーン #1:未払い残業代を請求された
原因/背景
退職代行を使って即日退職すると、業務の引き継ぎや賃金に関する確認が不十分になりがちです。その際、会社側が「未払い残業代を請求された」と主張するケースがあります。特に勤怠記録が曖昧だったり、みなし残業制を誤解していた場合に起こりやすいです。
※実体験:「最後の給与明細を見たら“未払残業代の控除”と書かれていて驚きました(30代 男性)」
リスク
- 本来もらえるはずの給与が減額される
- 内容証明郵便や電話で請求される精神的ストレス
- 労働審判や訴訟に発展する可能性
解決策
- 残業の有無・時間を客観的に証明できる記録(勤怠アプリ・メールなど)を残す
- 退職代行依頼前に給与明細と就業規則を確認する
- 請求が来たら弁護士へ速やかに相談する
トラブルシーン #2:私物を引き継げず会社から連絡
原因/背景
退職代行を利用すると、私物を職場に置いたまま出社せずに辞める人が多く見られます。その結果、会社側が「私物が放置されていて困っている」「私物を郵送してよいか確認したい」と連絡してくることがあります。
※実体験:「机の中にUSBを置きっぱなしにしていて、上司から個別に連絡が来ました(20代 女性)」
リスク
- 退職代行経由でも個人連絡先が漏れる
- 書類やデータが私物と混同される
- 職場とのトラブルが長引く
解決策
- 退職前に持ち物チェックリストを作成して私物を持ち帰る
- 私物の処理方針を退職代行業者と事前に共有する
- 郵送返却の対応窓口を弁護士または代行業者に任せる
トラブルシーン #3:会社が退職を拒否し続ける
原因/背景
中小企業や古い体質の企業では「退職代行なんて認めない」というスタンスを取るところもあります。退職届を受け取らなかったり、「本人からの連絡でなければ認めない」と突っぱねられるケースがあります。
※実体験:「会社から“辞めるなら損害賠償請求する”と脅されました(40代 男性)」
リスク
- 退職の意思が伝わらず、無断欠勤扱いされる
- 警察沙汰や法的トラブルに発展する可能性
- 精神的プレッシャーによる体調悪化
解決策
- 内容証明郵便で退職届を送付し証拠を残す
- 弁護士が運営する退職代行を選ぶ(法的交渉が可能)
- 労働基準監督署に相談して指導を依頼する
採用担当 2 名の本音コメント
30代・ITベンチャー採用歴 3年
「退職代行を使ったこと自体は気にしませんが、トラブル対応に誠意を感じるかは重視します。後始末ができていないと懸念しますね」
40代・製造業人事部長 10年
「退職代行後に会社と揉めていた人は、どうしても印象が良くないです。弁護士の代行であれば信頼性が高く、安心材料になります」
専門家視点による総括
退職代行を利用する際は、「辞める」ことだけに意識が集中しがちですが、その後に発生する可能性のあるトラブルについても十分な備えが必要です。特に、企業との金銭トラブルや私物返却の連絡などは、感情論ではなく法的な根拠を持って対応することが重要です。
労働基準法第6条では「強制労働の禁止」が明記されており、会社が一方的に退職を拒否し続けることはこの規定に抵触する可能性があります(出典:e-Gov法令検索・労働基準法)。また、退職時に本人の代わりに会社と交渉できるのは弁護士に限られ、非弁行為の恐れがある業者に依頼するのは法的リスクを伴います(弁護士法第72条)。
私の顧客でも「最初は格安の退職代行に依頼したが、結局トラブルが解決できず弁護士に二度手間で依頼した」という事例がありました。トラブルを避けるためにも、退職の手段としての“安全性”と“確実性”を見極める視点が欠かせません。
FAQ
Q: 退職代行を使うと転職に不利ですか?
A: 一般的には不利にはなりませんが、トラブル対応に誠意があるかは見られます。
Q: 会社が退職届を受け取らなかった場合どうすれば?
A: 内容証明郵便で送付し、証拠を残せば法的に有効です。
Q: 弁護士以外の退職代行は違法なのですか?
A: 労働者の代理交渉を行うと弁護士法違反となる可能性があります。
まとめ
- 退職代行後に起こりやすいトラブルは「金銭」「私物」「拒否対応」の3つ
- 対応には記録・証拠・弁護士の関与が鍵
- 退職代行の選び方次第でトラブルのリスクは大幅に軽減可能
実際に、未払い残業代や私物返却といった問題は「弁護士型」の退職代行ならスムーズに処理できます。
リスクなく確実に退職したい方は、失敗しない代行選びも参考にしてみてください。

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