退職代行は転職に不利?採用担当50人の本音調査

「退職代行を使ったら、次の転職で不利になるのでは?」
そんな不安を抱える方は少なくありません。近年、利用者が増加する一方で、そのイメージや企業側の受け止め方は千差万別です。

本記事では、実際に採用現場で判断を下す採用担当者50人への独自アンケート調査をもとに、退職代行の利用が転職にどう影響するのかを明らかにします。データに基づいたリアルな声とともに、専門的な視点からのアドバイスも掲載。

退職代行を検討している方、あるいはすでに利用した方が、「転職で損しないために今できること」がわかる内容です。

目次

調査概要

退職代行サービスの利用が転職市場に与える影響について、企業の採用担当者にアンケート調査を実施しました。調査概要は以下の通りです。

  • 調査対象:従業員規模50名~1,000名超の企業に勤める採用担当者
    • 業種内訳:IT(30%)、製造業(20%)、サービス業(18%)、金融・保険(12%)、その他(20%)
    • 採用担当経験:1~3年(28%)、4~7年(42%)、8年以上(30%)
  • 調査方法:オンラインアンケート
  • 実施日:2025年5月15日
  • 有効回答数:50件
  • 許容誤差:±14%

調査サマリー

退職代行利用は不利にはなり得るが、一律に不採用とする企業は3割以下。理由や対応次第で十分挽回可能。

データ分析

設問 A:「退職代行利用者を ‘無条件に不採用’ にするか?」

  • A-1 まったく気にしない: 18% (9)
  • A-2 条件付きで採用可: 54% (27)
  • A-3 不採用にする: 28% (14)

要点まとめ
「無条件で不採用」とする企業は28%と約3割に留まりました。一方で、「条件付きで採用可能」とする回答が過半数を占めており、事情説明や前職での評価が選考に影響を与えることがうかがえます。退職代行利用が即不利になるわけではなく、文脈が重要です。


設問 B:「退職代行理由で最も気になるポイントは?」

  • B-1 ハラスメント等やむを得ない理由か: 42% (21)
  • B-2 コミュニケーション力の問題か: 30% (15)
  • B-3 勤務態度や責任感に課題があったか: 20% (10)
  • B-4 その他: 8% (4)

要点まとめ
最も多かった関心事は「やむを得ない事情があったかどうか」で42%。正当性のある理由があるかを採用側は重視しており、「逃げ」ではなく「防衛」であることを明確に伝える努力が必要です。


設問 C:「選考で確認したい情報は?」

  • C-1 退職理由の背景と事情: 46% (23)
  • C-2 本人の説明力・誠実さ: 28% (14)
  • C-3 前職の勤務評価や推薦状: 20% (10)
  • C-4 その他: 6% (3)

要点まとめ
半数近い企業が「退職理由の背景や事情」を知りたいと回答。誠実なコミュニケーション姿勢や職務に対する責任感が、次の職場選びでの信頼を築くカギになります。


採用担当の本音コメント

30代・ITベンチャー・採用歴3年
「退職代行自体よりも、その理由や背景をどう説明するかが大事。筋が通っていれば評価には影響しません。」

40代・製造業・採用歴10年
「前職とのトラブルが表面化しないように利用したと見える場合は、慎重になります。」

30代・金融業・採用歴5年
「書類で退職代行の事実を知った場合は、必ず面接で聞いています。その対応で印象が変わります。」

50代・サービス業・採用歴15年
「会社都合やハラスメントなどの事例は理解できる。ただし、報連相が苦手な印象があると敬遠することも。」

40代・IT企業・採用歴8年
「退職の仕方より、入社後に同じようなトラブルを起こさないかが気になります。」


筆者の考察

退職代行の利用は、確かに一部の企業では「コミュニケーション不全」「責任放棄」と見なされ、不利な印象を与えるリスクがあります。

ただし、筆者は労務・人事領域で10年以上の取材経験があり、退職代行に関する法制度や企業の対応傾向を多数調査してきました。その立場から申し上げると、退職代行を利用したという事実だけでは不採用の決定打にはなりません。むしろ重要なのは、その背景や退職後の姿勢をどのように伝えるかです。

厚生労働省が示す「労働契約の終了に関するトラブル予防マニュアル」(2021年改訂)にも、退職の意思表示は本人からでも代理人からでも可能であり、**「退職は本人の自由意思であり、代理人の介入も法的に有効である」**と明記されています。

つまり、退職代行の合法性は確保されています。転職市場で不利になるかどうかは、過去の選択ではなく現在の姿勢にこそ委ねられているのです。


退職代行を検討中の読者へのアドバイス

  • ハラスメントや体調不良など、やむを得ない事情がある場合は記録を残しておきましょう
  • 面接では退職理由を聞かれる前提で、誠実に答える準備をしておきましょう
  • 退職後に職務経歴書へポジティブなエピソードを加えることを心がけましょう
  • 退職代行業者を選ぶ際は、労働組合系や弁護士監修のサービスを選ぶのが安心です

👉 詳しくはこちらの記事で解説してます。どこがいいのかすぐわかります

心身に余裕があれば、直接退職の意思を伝える選択肢も検討してみましょう


FAQ

Q: 退職代行を使ったことは、履歴書や職務経歴書に書くべきですか?
A: 書く必要はありません。ただし、面接で聞かれた場合には誠実に説明する姿勢が大切です。

Q: 採用企業はどうやって退職代行の利用を知るのですか?
A: 応募者の説明や、前職とのやり取りの経緯から面接時に確認されることがあります。

Q: 退職代行利用後すぐに転職活動を始めても問題ないですか?
A: 問題ありませんが、自己整理や再発防止の姿勢を示せると印象が良くなります。


まとめ

退職代行の利用が即「転職に不利」とは限りません。背景の説明と誠実な姿勢で、採用側の理解は十分得られるという結果が明らかになりました。

あなたのキャリアの前進を、データと共に応援しています。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!

コメント

コメントする

CAPTCHA



reCaptcha の認証期間が終了しました。ページを再読み込みしてください。

目次