「退職したら気が抜けて、うつ症状がさらに悪化しそうで怖い…」。そんな不安を抱えるあなたへ。本記事では、退職後のメンタル悪化を防ぐセルフケアのポイントと、公的支援窓口をまとめてご紹介します。
退職後にうつ症状が悪化しやすい3つの要因
- 経済的不安
収入が途絶え、生活費や将来への不安が増し、ストレスの要因になります。 - 生活リズムの崩れ
通勤や業務による規則正しい生活がなくなることで、昼夜逆転や活動量の低下が起きやすくなります。 - 社会的つながりの喪失
職場の人間関係が断たれ、孤立感が強まり、抑うつ傾向が高まる可能性があります。
セルフケアの基本5ステップ
ステップ①:毎朝決まった時間に起きる
- 理由&科学的根拠
体内時計の乱れは抑うつ症状を悪化させるとされ、日本うつ病学会の治療ガイドラインでも睡眠衛生は基本とされています。 - 具体的な実践方法
- 平日・休日問わず同じ時間に起床
- 起きたらすぐカーテンを開けて朝日を浴びる
- 二度寝を避け、布団の外で活動を始める - 実体験エピソード
退職後の1週間、朝7時起きの習慣が再発防止に役立ちました。
ステップ②:毎日15分の軽い運動をする
- 理由&科学的根拠
ウォーキングなどの有酸素運動は、セロトニン分泌を促し、気分を安定させると医学的に報告されています(厚労省「こころの健康づくり」)。 - 具体的な実践方法
- 朝の散歩をルーチンにする
- 音楽を聴きながらストレッチ
- 買い物ついでに遠回りする - 実体験エピソード
毎朝の近所散歩で気持ちが少しずつ軽くなりました。
ステップ③:1日1回、人と話す習慣をつける
- 理由&科学的根拠
社会的孤立はうつ病悪化のリスクを高めると、国立精神・神経医療研究センターの調査で明らかになっています。 - 具体的な実践方法
- 家族や友人に短時間でも連絡を取る
- オンラインの自助グループに参加- 地域の相談窓口に電話する
- 実体験エピソード
週1回の電話相談が、思った以上に心の支えになりました。
ステップ④:一人で抱え込まず、専門家に相談する
- 理由&科学的根拠
うつ病は「脳の病気」であり、医学的な治療が必要なケースも多く、自己判断による放置はリスクです(厚生労働省「こころの耳」)。 - 具体的な実践方法
- かかりつけ医に相談する
- 精神保健福祉センターへ連絡
- 匿名のチャット相談を活用 - 実体験エピソード
診察を受けた日、「ひとりじゃない」と初めて思えました。
ステップ⑤:1日の中に「小さな達成感」を作る
- 理由&科学的根拠
達成感は脳内の報酬系を刺激し、うつ状態の改善に良い影響を与えるとされています(日本うつ病学会 2020年ガイドライン)。 - 具体的な実践方法
- 洗濯や掃除など「小さなタスク」を完了させる
- 日記に今日できたことを3つ書く
- チェックリストを活用する - 実体験エピソード
「洗濯物を畳んだ」だけでも、その日は少し前向きになれました。
支援窓口まとめ(公的・民間)
名称 | 連絡先・URL | できる支援 | 利用費用 |
---|---|---|---|
ハローワーク | https://www.hellowork.mhlw.go.jp/ | 再就職支援・失業手当の手続き | 無料 |
こころの健康相談統一ダイヤル | #7111(全国共通) | メンタルヘルスに関する相談 | 通話料のみ |
自立支援医療制度 | 各市区町村の窓口 | 通院精神医療の自己負担軽減 | 所得により異なる |
傷病手当金 | 健康保険組合 | 退職前の傷病による収入補填 | 条件により支給 |
精神保健福祉センター | 各都道府県に設置 | 専門家による相談・支援 | 無料 |
NPO法人によるチャット相談 | https://www.mhlw.go.jp/kokoro/ | 匿名での相談が可能 | 無料 |
地域包括支援センター | 市区町村の福祉課に確認 | 高齢者・障がい者の支援窓口 | 無料 |
ケーススタディ:悪化を防げた人/悪化してしまった人
- Aさん(40代・男性・IT系企業を退職)
退職前にハローワークに相談し、再就職支援と精神科通院を併行。生活リズムを整えながら週1回の電話カウンセリングを継続したことで、メンタルが安定し、3か月後に再就職に成功。
「辞めたあとも“社会とつながっている”実感が救いでした」
- Bさん(30代・女性・介護職を退職)
退職後、無気力になり引きこもり状態に。相談先が分からず経済的不安が悪化。半年後にうつ病が進行し入院。情報不足と相談のタイミングが遅れたことが要因。
「もう少し早く誰かに話していればと思います…」
なぜ退職後にうつ病が悪化しやすいのか?
退職後は「解放感」がある一方で、以下のような要因で心身のバランスが崩れやすくなります:
- 孤立感:職場とのつながりが絶たれ、誰とも話さない日が続く
- 生活リズムの乱れ:夜型になる、昼夜逆転など
- 経済的不安:収入が途絶え、将来が見えにくくなる
こうした変化は、うつ症状の悪化や再発の引き金になりかねません。
セルフケアの5ステップで悪化を防ぐ
ステップ1|生活リズムを整える
朝起きて陽の光を浴びる。3食をとる。睡眠時間を固定する。これだけでも心身の安定につながります。
ステップ2|小さな予定を入れる
「午前中に散歩」「午後に図書館へ行く」など、簡単な外出予定を1日1つ入れてみましょう。
ステップ3|相談のハードルを下げる
身近な友人、家族、あるいは匿名の電話相談窓口でもOK。“話す”だけでも予防効果があります。
ステップ4|公的支援を活用する
ハローワークでは再就職支援だけでなく、心理相談窓口や訓練制度も利用可能です。自治体の保健センターでもメンタル相談を受け付けています。
ステップ5|医療機関を早めに受診する
「食欲がない」「眠れない日が続く」「涙が出る」などの兆候があれば、精神科・心療内科へ。
うつ病は“気の持ちよう”ではなく治療可能な病気です。
👉 参考:厚生労働省:https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/know/know_01.html
困ったときの支援窓口(全国共通)
- こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)
→ 地域の保健所・精神保健福祉センターに繋がります - よりそいホットライン(0120-279-338/24時間対応)
→ 孤独・生活困窮・心の悩みなどを総合的にサポート - ハローワークの職業相談/心理相談
→ 失業給付の相談と並行して、メンタル面の支援も可能です
まとめ :ひとりで抱え込まず、早めに“つながる”ことが大切
- 退職は心と体に大きな負荷をかける人生の転機です
- メンタルが崩れそうなときこそ「生活・つながり・制度」の3つを整える意識を
- 不安を感じたら、支援の窓口や医療機関に“相談だけでも”してみてください
「退職すること自体がストレスでつらい」「職場に言い出せない」——そんな女性の声も少なくありません。
実際に私が利用した、女性特化のサポートが充実した【わたしNEXT】の退職代行については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

FAQ
Q: 退職してから気分が沈みがち。これはうつ病?
A: 判断は難しく、医師の診断が必要です。早めに相談をおすすめします。
Q: 精神科に行くと記録に残って就職に不利ですか?
A: 原則として診療記録は守秘義務があり、就職活動に影響しません。
Q: 家族が心配。どう接すればよい?
A: 否定せず「話を聴くこと」に徹しましょう。必要に応じて支援窓口も活用してください。
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