「マイホームを買いたいけど、ローンが不安で踏み出せない…」
そんな気持ちを抱えている方は少なくありません。
「40年ローンって本当に大丈夫なの?」「借金が長くなるのは怖い…」と感じるのは、とても自然なことです。
一方で、「月々の返済を少しでも軽くしたい」という思いも本音ですよね。
この記事では、住宅ローンを整理しながら、あなた自身が「不安を解消して判断できる」状態になることを目指して解説していきます。
2025年現在の取り扱い状況
「40年ローン=珍しいもの」ではなくなってきています。実際に公表されている例を見てみましょう。
- 三井住友信託銀行:「借入期間40年のお取り扱い」—35年承認後に最長40年へ延長可。金利上乗せなし
- 京都銀行:「京銀変動・固定金利選択型住宅ローン(40年プラン)」—申込65歳以下、完済80歳未満
- 滋賀銀行:2025/4/1より最長40年対応を開始
- 中央労働金庫:最長40年、完済81歳未満まで可
- 住信SBIネット銀行:35年超〜40年は+0.07%、40年超は+0.15%上乗せ
- auじぶん銀行:最長50年、35年1か月以上で+0.10%上乗せ
- 常陽銀行:最長50年(40年超は条件あり)
40年ローンの落とし穴になりやすい条件
「大丈夫かな…」と思う人がまず気になるのは制約部分です。代表的なものは次のとおりです。
- 年齢制限:完済時80〜81歳未満の設定が多い(京銀・ろうきんなど)
- 金利上乗せ:ネット銀行に多く、+0.07〜0.15%程度(住信SBI)
- 商品条件:長期優良住宅など、住宅性能や保証条件が付くケースもあり
- 審査の厳格化:長期間の返済が前提になるため、収入の安定性や余力がより細かく見られる傾向
市場動向:なぜ長期ローンが増えている?
ここ数年、住宅ローンの“最長期間”は確実に長くなっています。
35年が当たり前だった時代から、いまや40年、さらには50年まで選べる商品も登場しました。
では、なぜここまで長期ローンの需要が増えているのでしょうか。
背景には、住宅価格の上昇と家計の実質負担感の増大があります。
共働き世帯でも教育費や生活費の圧迫が強まり、「月々の返済を1万円でも下げたい」というニーズが拡大しているのです。
住宅金融支援機構の調査では、35年超〜40年以内が約18%、40年超〜50年以内が約7%を占めています。
つまり、「40年ローン」は一部の特殊な選択肢ではなく、今の住宅事情に合わせた現実的な選択肢として広がっているのです。
40年ローン、本当に大丈夫?家計インパクトの実感
実際の数字で見てみましょう。(借入3,500万円・元利均等・ボーナス返済なし)
- 金利0.60%
35年:約9.3万円/月 → 40年:約8.3万円/月(▲1.0万円)
総利息は約56万円増 - 金利1.00%
35年:約9.9万円/月 → 40年:約8.9万円/月(▲1.0万円)
総利息は約98万円増

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向く人/向かない人
向く人
20〜30代で、まずは毎月の余裕を大事にしたい人
→ まだ収入が安定しきっていない時期でも、返済期間を伸ばせば「住居費を家賃並みに抑える」ことができます。将来の昇給やボーナスを見据えて、あとから短縮する前提なら現実的です。
育児・教育費がこれから重なってくる家庭
→ 保育料や学費がピークを迎える10〜15年を「軽い返済」で乗り切れるのは大きな安心。手元に現金を残しておくことが家計防衛につながります。
繰上げ返済や借り換えを柔軟に考えられる人
→ 「最初は40年でゆるく→余裕ができたら短く」と計画できる人には、むしろ賢い選択肢です。金利や家計の変化に合わせて“調整できる”という考え方がポイント。
向かない人
完済時の年齢が高く、定年後も返済が続く人
→ 退職後の年金収入だけでローンを払うのは負担が大きく、精神的にも不安が残ります。完済が80歳近くになるなら、慎重に再検討を。

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定年後の収入見通しが弱い人
→ 自営業やフリーランスなど、将来の収入が不安定な場合は長期ローンがリスクになりやすいです。老後の生活費を削る形になる可能性も。
金利上乗せや総支払額の増加が大きいケース
→ 「月1万円減」の代わりに「総額+100万円増」となるケースもあります。金利優遇や返済シミュレーションを丁寧に比べましょう。
“うまい組み方”:不安を安心に変える3つの工夫
① 当初40年→10年目に短縮する
最初は40年で月々の負担を軽くしておき、余裕ができたら繰上げ返済で期間を短縮する方法です。
10年後に100万円前後を繰上げ返すだけでも、総利息を数十万円減らせるケースがあります。
「今は守り、将来は攻め」の柔軟設計ができるのが長期ローンの強みです。
② ミックス型(固定+変動)で金利上昇リスクを緩和
全期間を変動金利にするのが不安な方は、一部を固定・一部を変動にする“ミックス型”がおすすめ。
固定部分があることで、金利上昇期にも返済額が急に増えない安心感が得られます。
一方で変動部分は低金利の恩恵を受けやすく、安定とお得のバランスが取りやすい組み方です。
③ 蓄財と並走する(NISA・教育資金の積立を同時進行)
「返済を軽くした分は、使い切らずに資産形成へ回す」という発想が大切です。
NISAや教育費積立を並行して進めれば、将来の備えも同時に育ちます。
“余裕をつくって終わり”ではなく、“余裕を活かす”ことで、40年ローンを家計の味方にできます。
よくある誤解Q&A
Q:40年にすると必ず金利が上がりますか?
A:銀行次第です。+0.07〜0.15%の上乗せもあれば、上乗せなし(三井住友信託)もあります。
Q:フラット35で40年は?
A:35年超は「フラット50」など別枠です。一般の35年とは別の商品です。
Q:完済年齢は?
A:多くは80〜81歳未満です。支店ごとに異なるため要確認です。
まとめ
- 最長年数・完済年齢・上乗せ金利の3点をまず比較
- 35年と40年で月返済と総利息を試算し、違いを数字で把握
- 気になる銀行に概算返済額を問い合わせ
「40年ローン=危ない」ではありません。
“月々の安心”を先に確保し、将来の繰上げで“総額の不安”をコントロールする。この視点があれば、「本当に大丈夫?」という不安を安心に変えていけます。
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