併せて読みたい！弁護士費用特約はこちら！
併せて読みたい！個人賠償責任保険はこちら！
火災保険は自分で選べる！賃貸契約時のポイントを解説
賃貸の部屋を借りる際、不動産会社や管理会社から火災保険（家財保険）への加入を求められることがあります。中には特定の保険を指定されるケースもありますが、実は自分で火災保険を選ぶことが可能です。本記事では、賃貸契約時に火災保険を自分で選ぶ方法やその流れについて詳しく解説します。
火災保険（家財保険）を不動産会社に指定されたら？
賃貸物件向けの火災保険は、主に家財の損害を補償する「家財保険」と、貸主や第三者への賠償責任を補償する「借家人賠償責任保険」などがセットになっています。不動産会社や管理会社から特定の火災保険を勧められることがありますが、法律上、必ずその保険に加入しなければならないわけではありません。
最近は数が減ってきましたが、その物件を契約するうえで特定の火災保険に加入必須と契約書に書かれている場合は指定された火災保険にしなければなりません。
賃貸の火災保険は基本的に自分で選べる
賃貸の火災保険は、原則として入居者自身が選んで契約できるものです。指定された火災保険ではなく、他の保険会社の商品を選ぶことも可能です。
ただし、賃貸借契約書に「火災保険加入が必須」と記載されている場合、何らかの火災保険には加入しなければなりません。この場合も、
- 補償内容が同等以上であれば、別の保険を選んでも問題ない
- 加入証明書を提出すれば、指定の保険以外でも契約可能なことが多い
といったケースが多いです。まずは契約書を確認し、どのような補償が求められているのかをチェックしましょう。
賃貸住宅でも火災保険が必要な理由
失火責任法と原状回復義務
日本には「失火責任法」という法律があり、重大な過失がなければ、火を出した本人が賠償責任を負うことはありません。しかし、賃貸住宅では、入居者には「原状回復義務」があり、火災などで損害を与えた場合には、貸主に対して借りた部屋を元に戻す義務（原状回復義務）があり、修復費用を負担しなければなりません。火災保険に加入していなければ、高額な費用を自己負担することになる可能性があります。
家財保険の重要性
賃貸物件の建物自体は、大家さんが加入している火災保険で補償されることが多いですが、入居者の家具や家電、衣類などの「家財」は補償されません。火災だけでなく、水漏れや盗難による損害も対象となる火災保険に加入しておくと安心です。また、近隣の部屋から出火した場合も重大な過失が火元の借主になければ「失火責任法」によって火元には損害賠償請求をすることは難しいです。
賃貸契約時に火災保険が求められる
多くの賃貸契約では、入居者が火災保険に加入することを勧められます。不動産会社が指定する保険に加入するケースもありますが、必ずしもその保険に加入しなければならないわけではありません。自分でより適切な保険を選ぶことも可能です。
賃貸住宅における火災保険の補償内容
火災保険の必要性だけでなく、火災保険が補償してくれる内容についても正しく理解しましょう。
家財特約
家財保険は、家具や家電、衣類などの家財を補償する保険です。火災だけでなく、以下のようなケースにも対応することが多いです。
- 台風や大雨による浸水被害
- 給排水設備の故障による水漏れ
- 盗難による損害
借家人賠償責任特約
借家人賠償責任特約は、火災や水漏れなどで賃貸物件に損害を与えた場合に、大家さんへの賠償責任をカバーする保険です。この特約に加入していないと、修復費用を全額自己負担することになりかねません。
借家人賠償責任特約は火災を起こしたときに貸主に火災の損害を賠償するための特約です。一般的には補償の金額は1,000万円で十分です。掛けすぎないようにしましょう。
修理費用特約
偶然の事故で借りているお部屋に損害が発生し修理しなければならない場合や、緊急で修理が必要になった場合その修理費用を補償してくれます。
- 飛び石で窓ガラスが割れてしまい、急いで修理した
- 子供が誤って壁に傷をつけてしまった
火災保険の保険料の相場
賃貸住宅向けの火災保険の相場は、年間3,000～5,000円程度です。補償内容や家財の評価額によって金額は変わります。
「不安だから」、「心配だから」というようにすべてを保険で賄おうとすると保険料が高額になってしまいます。もし、借りている部屋で火災を起こしてしまった場合いくらぐらいが修理費用の相場なのか正しく理解して必要な分だけ保険をかけましょう。
木造と鉄筋コンクリートの2LDKで想定してみる
木造の場合
木造の物件は構造が軽いため、修復費用がRC造より低い傾向があります。火災が部分的に発生した場合、修理にかかる費用は50万～300万円程度で済むことが多いですが、全焼した場合は300万～600万円程度かかることが予想されます。
鉄筋コンクリート(RC造)の場合
鉄筋コンクリート造（RC造）の賃貸物件は、強度があり火災に強いと言われていますが、火災が発生した場合の修復費用は木造より高額になる傾向があります。RC造は基本的に耐火性が高いため、火災の広がり方が木造とは異なり、修復費用が高くつきます。
2LDKの木造と鉄筋コンクリート造（RC造）の物件について、築年数に応じた減価償却を考慮した修復費用の目安を以下に示します。なお、修復費用の金額は一般的な目安であり、実際の修理費用は物件の状態や火災の程度によって異なることに注意してください。
| 物件タイプ | 築年数 | 修復費用目安（円） | 減価償却率（目安） | 減価償却後の修復費用（目安） | 面積(㎡) |
|---|---|---|---|---|---|
| 木造2LDK | 5年 | 200万～300万円 | 80%～90% | 160万～270万円 | 50～80㎡ |
| 木造2LDK | 10年 | 150万～250万円 | 60％～70% | 90万～175万円 | 50～80㎡ |
| 木造2LDK | 20年 | 100万～200万円 | 30%～40% | 30万～80万円 | 50～80㎡ |
| RC造2LDK | 5年 | 300万～500万円 | 90% | 270万～450万円 | 50～80㎡ |
| RC造2LDK | 10年 | 250万～450万円 | 80% | 200万～360万円 | 50～80㎡ |
| RC造2LDK | 20年 | 200万～400万円 | 60%～70% | 120万～280万円 | 50～80㎡ |
月々の賃料が20万円を超えるような高級マンションなどの間取りが広く、物件の価値が高い場合、火災を起こしたときに借家人賠償責任の金額が1,000万円では足りない場合がありますので気を付けてください。
火災保険選びの注意点
ネット火災保険に自分で加入しよう！
賃貸契約時に不動産会社から火災保険を紹介されることが多いですが、必ずしもその保険に加入する必要はありません。インターネットでの手続きが簡単で保険料もお得に。万が一の火災に備えて、必要な補償内容を選んで適切な保険を選びましょう。
保険内容を定期的に見直す
引っ越しやライフスタイルの変化に応じて、火災保険の内容を見直すことが大切です。不要な補償を削ることで、保険料を抑えることができます。
火災保険を見直す時も、加入するときもネット火災保険がおすすめです。ゆっくり考えて、よく比較して保険料もオトクなものが多いです。ぜひ活用しましょう。
まとめ
賃貸の火災保険は、不動産会社や管理会社から指定されることがありますが、基本的には自分で選べます。契約書の内容を確認し、必要な補償を満たした上で、よりお得な火災保険を選ぶことが可能です。自分に合った火災保険を選び、安心な賃貸生活を送りましょう。
- 賃貸の火災保険は基本的に自分で選べる！
- 借家人賠償の金額は一般的には1,000万円で十分！
- 賃貸住宅向けの火災保険の相場は、年間3,000～5,000円程度
- ネット火災保険に自分で加入しよう！
賃貸だけじゃない！戸建て住宅の場合も定期的な見直しを！
「今の火災保険、本当に適正な内容なのかな？」と思った方は、一度見直してみることをおすすめします。複数の保険会社を比較し、最適な火災保険を選ぶことで、数万円単位の節約につながることもあります。
火災保険の比較はこちらです「火災保険を比較する」
出展 国土交通省 民間賃貸住宅に関する相談対応事例集
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000117.html
コメント